監督:クリストファー・マッカリー
出演:トム・クルーズ、ヘイリー・アトウェル、ヴィング・レイムス、サイモン・ペッグ、イーサイ・モラレス、ポム・クレメンティエフ、ヘンリー・ツェニー、シェー・ウィガム、アンジェラ・バセット
原題:Mission: Impossible – The Final Reckoning
制作:アメリカ/2025
URL:https://missionimpossible.jp
場所:ユナイテッド・シネマ浦和

1996年にはじまった映画版「スパイ大作戦」である「ミッション:インポッシブルシリーズ」も、今回の8作目『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』で最終作だそうだ。窮地に立たされたの主人公がどのようにして危機を脱出するのか、活動写真の原点とも云えるハラハラ・ドキドキ感を前面に押し出したシリーズとして、そしてトム・クルーズのケレン味たっぷりの体当たりな演技を楽しむ映画としても貴重なシリーズだった。

ラストくらいはIMAXで観ようと、普段なら高い料金を払おうとはおもわないんだけれど、今回はユナイテッド・シネマのポイントがあったので700円で観ることができた。さすがIMAXの大画面。自分がトム・クルーズになっているようなグイグイ来る感覚が素晴らしかった。やっぱり「ミッション:インポッシブルシリーズ」のようなアクション映画はIMAXで観るべきだとは痛感した。でもなあ、もうちょっと安いと良いんだけれど。

この「ミッション:インポッシブルシリーズ」は、トム君が体力的な限界を迎えて無理だとしても、007のように誰かが引き継いで続けて行くべきじゃないのかなあ。これだけお金をかけた(制作費は推定4億ドル!)豪華な映画をお祭り騒ぎのようにIMAXで観ることが、こじんまりとサブスクなどで映画を見ることとの差別化が図れる唯一の希望だとおもう。

→クリストファー・マッカリー→トム・クルーズ→アメリカ/2025→ユナイテッド・シネマ浦和→★★★☆

監督:コラリー・ファルジャ
出演:デミ・ムーア、マーガレット・クアリー、デニス・クエイド、エドワード・ハミルトン=クラーク、ヤン・ビーン(声の出演)
原題:The Substance
制作:フランス、イギリス、アメリカ/2024
URL:https://gaga.ne.jp/substance/
場所:ユナイテッド・シネマ浦和

今年のアカデミー賞で話題になった作品の大トリとして、やっとコラリー・ファルジャ監督の『サブスタンス』を観る。

これだけ時間が経ってしまうと、どんな映画なのかポロポロと情報が入って来てしまうので、女性の老いに対する恐怖や美への執着を扱っているストーリーと云うことはもうわかってしまった。それにどうやらジョン・カーペンター『遊星からの物体X』(1982)でのロブ・ボッティンが作ったような特殊メイクのようなものも出てきて相当にエグイらしい、と云うこともわかってしまった。そのような情報を遮断して何も知らずにこの映画を観ていれば、その驚きだけでぶっ飛んだような気もする。

なので、映画のスジが予想した通りに展開してしまって、驚きも相当に半減してしまった。とは云っても、ラストに向かっての展開は凄かった。いや、これはしつこすぎる。ジェームズ・キャメロンのラストの畳み掛けも相当しつこいが、コラリー・ファルジャはやりすぎだ。自分の席から少し前で見ていた老夫婦は、このグチョグチョ、ゲロゲロのオンパレードを観て卒倒しなかったのだろうか。大きなお世話だけど。

デミ・ムーアが演じる往年の大女優エリザベス・スパークル(およびそのコピーであるマーガレット・クアリー演じるスー)が「サブスタンス」を繰り返した結果、スーの肉体に無数の臓器やエリザベスの顔などが貼り付いた見るに耐えかねない怪物「モンストロ・エリサスー」が誕生してしまう。その怪物の顔の位置にエリザベスのポスターから切り取った紙ペラの顔を申し訳程度に貼った「モンストロ・エリサスー」が、スーを待ち構えていた大勢のファンの人々の中を練り歩くシーンは、これはビリー・ワイルダー『サンセット大通り』(1950)のグロリア・スワンソンだな、とすかさず連想してしまった。いつまでも過去の栄光にすがりつくサイレント映画時代の大女優グロリア・スワンソンとデミ・ムーアが演じる過去の女優エリザベス・スパークル(残酷に云えばデミ・ムーア自身とも)重なるシーンで、おそらくコラリー・ファルジャ監督もそれを絶対に意識していたとおもう。

面白い映画だったけれど、ちょっとしつこくて胃がもたれてしまった。

→コラリー・ファルジャ→デミ・ムーア→フランス、イギリス、アメリカ/2024→ユナイテッド・シネマ浦和→★★★☆