アナと雪の女王(2D日本語吹替版)

監督:クリス・バック、ジェニファー・リー
声:神田沙也加、松たか子、原慎一郎、ピエール瀧、津田英佑、多田野曜平
原題:Frozen
制作:アメリカ/2013
URL:http://ugc.disney.co.jp/blog/movie/category/anayuki
場所:シネマスクエアとうきゅう

『アナと雪の女王』が動員1265万人を突破して、興収収入は159億を越えたそうだ(2014年5月6日現在)。映画が大ヒットするのはもちろんこの映画に魅力があって、多くの人を感動させられる要素があるからこそヒットするのだろうけど、ここまで化けてしまうとその大衆性に嫌気がさして、とても観に行く気が失せてしまうのがひねくれ者の常だ。一方で、オタク気質のレア物一辺倒も大嫌いで、カルトっぽいものばかり追いかけるのも大嫌いで、柳下毅一郎が云うような「ロメールやリヴェットの話ばかりする映画マニア(含評論家)はどうも信用できない」な奴らも大嫌い。

なわけだから、大ヒットしている映画なんて大衆受けのする要素が最大公約数として集まった味の薄い映画でしかないとおもいながらも『アナと雪の女王』を観に行く。

ところがこれが、期待度のハードルをものすごく下げたことが功を奏したのか、とても面白かった。

まず、吹替えが良かった。特にアナ役の神田沙也加が良かった。神田沙也加なんて、親の七光り以外に何があるのかまったく理解していなかったけど、芸能関係をつかさどるDNAのパートがあって、それがしっかりと遺伝されたのではないかとおもえるほど吹替えが巧かった。

それから、オラフ、と云う名前の雪だるまのキャラクターだ。芝居の中に出てくる道化の役割をしっかりと担っているて、出てくるタイミングも抜群に良い。吹替えのピエール瀧も素晴らしい。もしこのオラフがいなかったら、この映画をここまで面白いとは感じなかったかもしれない。

それから、もちろん松たか子のレリゴー。考え抜かれた日本語の翻訳がCGアニメとリップシンクするのは感動的だ。

とにかく、どんなにくだらざそうな映画だとしても、大衆迎合的な映画に見えたとしても、まずは映画館に足を運んで観てみなければ。そこにはおもった以上のテクニックと考え抜かれた構成と演出があるのかもしれない。

→クリス・バック、ジェニファー・リー→(声)神田沙也加→アメリカ/2013→シネマスクエアとうきゅう→★★★★