監督:ジェイ・ローチ
出演:シャーリーズ・セロン、ニコール・キッドマン、マーゴット・ロビー、ジョン・リスゴー、コニー・ブリットン、ケイト・マッキノン、マーク・デュプラス、ロブ・デラニー、マルコム・マクダウェル
原題:Bombshell
制作:アメリカ/2019
URL:https://gaga.ne.jp/scandal/
場所:MOVIXさいたま

FOXニュースの創立者で当時CEOだったロジャー・エイルズが、女性キャスターのグレッチェン・カールソンやメーガン・ケリーらからセクシャル・ハラスメントで訴えられたニュースが大きく報道されたのが2016年だった。そのセクハラ告発の顛末を全員実名で、しかも実物にそっくりのメイクをして映画化してしまうのはさすがハリウッドだとおもった。それも本人たちの承諾も取ってないらしい。

中心となる登場人物たちは、グレッチェン・カールソンをニコール・キッドマン、メーガン・ケリーをシャーリーズ・セロンが演じていて、セクハラシーンが赤裸々な架空の人物カイラ・ポシュピシルを演じているのがマーゴット・ロビーだった。映画の題材としては深刻な問題を扱ってはいるのだけれど、窓際になってしまったキャスター役をニコール・キッドマン、飛ぶ鳥を落とす勢いのキャスター役をシャーリーズ・セロン、駆け出しのプロデューサー(?)役のマーゴット・ロビーの3人による演技合戦ばかりに目が行ってしまった。

自分にとって、映画作品に対して魅力を感じる大きな要素が俳優たちによる演技くらべなので、この3人による丁々発止の演技合戦がたまらなく楽しかった。特に、図らずも3人が一つのエレベーターに乗り合わせて、話すことなく目配せし合うだけで緊張感がみなぎるシーンは凄かった。そのシーンがあっただけでこの映画を観て良かったとおもうくらいだった。

ただ、FOXニュースのスターとして君臨しているシャーリーズ・セロンが、セクハラ告発をしたニコール・キッドマンに対して、告発者として連名しようと決意した過程をもうちょっと丁寧に描いてくれていたら良かったのに。

→ジェイ・ローチ→シャーリーズ・セロン→アメリカ/2019→MOVIXさいたま→★★★☆