
監督:ウェス・アンダーソン
出演:ベニチオ・デル・トロ、ミア・スレアプレトン、マイケル・セラ、トム・ハンクス、マチュー・アマルリック、ジェフリー・ライト、スカーレット・ヨハンソン、ウィレム・デフォー、ビル・マーレイ、シャルロット・ゲンズブール、ベネディクト・カンバーバッチ
原題:The Phoenician Scheme
制作:アメリカ、ドイツ/2025
URL:https://zsazsakorda-film.jp
場所:ユナイテッド・シネマ浦和
ウェス・アンダーソンのスタイリッシュな作風に対して、一つの映画のあり方として眺めればどうしても鼻について嫌いなんだけれど、実際のところ細かいパーツ、パーツが好きだったりするので、その愛憎半ばする気持ちにいつも身を捩りながら観ている。最新作の『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』も同様だった。映画って、絵画のような構図のシーンをスライドショー的なシークエンスで見せられるよりも、トム・クルーズの「ミッション: インポッシブル」のように大げさにモノを動かす映画のほうが、活動写真としての原点だからなあ。このスタイルをこのまま続けるのはちょっと無理があるとはおもう。もう飽きが来ているので、初心に帰って『ダージリン急行』のような普通の映画を一本撮っても良い気がする。
とおもいながら映画を観終わって、ダラダラとエンドクレジットを観ていたら、ああ、なるほど、ルノワールやマグリットなどの絵画は本物を用意しているし、大富豪ザ・ザ・コルダ(ベニチオ・デル・トロ)が娘リーズル(ミア・スレアプレトン)に贈る“世俗的なロザリオ”はカルティエで、宝石で飾られたコーンパイプはダンヒルだったりと、めちゃくちゃ凝っていることをさり気なく主張している。相変わらず配役は豪華だし、細かいところにウンチクを散りばめて知的好奇心を刺激するし、まあ、こんなスタイルの映画を続けられてもまた観に行くんだろうなあ。
みんなが大絶賛した『グランド・ブダペスト・ホテル』を大嫌いだと公言してからもずっとウェス・アンダーソンを観続けている。
→ウェス・アンダーソン→ベニチオ・デル・トロ→アメリカ、ドイツ/2025→ユナイテッド・シネマ浦和→★★★☆