監督:ジェームズ・キャメロン
出演:サム・ワーシントン、ゾーイ・サルダナ、シガニー・ウィーバー、ブリテン・ダルトン、トリニティ・ジョリー・ブリス、ジャック・チャンピオン、スティーヴン・ラング、ジョヴァンニ・リビシ、ウーナ・チャップリン、ケイト・ウィンスレット
原題:Avatar: Fire and Ash
制作:アメリカ/2025
URL:https://www.20thcenturystudios.jp/movies/avatar3
場所:MOVIXさいたま

ジェームズ・キャメロンが監督した「アバターシリーズ」第一作目の『アバター』(2009)「は、地球人が希少鉱物アンオブタニウムを求めてアルファ・ケンタウリ系惑星ポリフェマス最大の衛星パンドラへと進出するが、それを許さない先住民族ナヴィと衝突するストーリーだった。資源開発公社のRDA社は、地球人とナヴィそれぞれのDNAを掛け合わせた人造生命体を作り、そこに地球人の神経を接続させたアバターによってナヴィとの交渉を成功させようと試みた。しかし、それがうまく行かないと悟ったRDA社は傭兵部隊を使って、まるで中世におけるスペインの中南米征服よろしく、先住民族が持つ文化や精神世界をまったく尊重しない侵略を行う。アバターの操作員となった元海兵隊員のジェイク・サリー(サム・ワーシントン)はそれに反発してナヴィたちに味方する、と云うのがストーリーの核だった。

「アバターシリーズ」第二作目の『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』(2022)は、第一作目の『アバター』から16年経っていて、パンドラの生命の母「エイワ」の力によって人間からアバターの肉体へと完全に意識を移した元海兵隊員のジェイク・サリーが、息子のネテヤムとロアク、娘のトゥク、そしグレース・オーガスティン博士(シガニー・ウィーバー)のアバターから生まれたキリを養女として、妻のネイティリ(ゾーイ・サルダナ)とともに子供たちを育てていた。そこへRDA社がパンドラを植民地化するために戻って来て、ブリッジヘッドシティという名の新しい作戦基地を建設する。そこには死亡した人間の兵士の記憶を移植したナヴィのアバターであるリコビナントがいて、第一作目の『アバター』でジェイク・サリーとネイティリに殺されたマイルズ・クオリッチ大佐(スティーヴン・ラング)もリコビナントとなっていた。クオリッチ大佐に狙われたジェイク・サリーの一家は、一族に迷惑がかからないようにと“海の部族・メトカイナ族”のもとへ身を寄せることになる。そして、クオリッチ大佐とジェイク・サリー一家の対決は、メトカイナ族や海の生物たちを巻き込んで大きな争いとなる。

そして今回の第三作目『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』は、前作からのそのままの続編だった。クオリッチ大佐とジェイク・サリー一家の対決がさらに続き、ジェイク・サリーの息子ロアクの成長譚が語られるものの、目新しい要素があまりにも少なすぎた。一作目ではパンドラの森が、二作目ではパンドラの海が、3Dの効果を最大限に引き出すための構図とともに美しく描かれていたのに、今回は怒りに燃えるナヴィのアッシュ族を加えた戦いの構図しか目立たないのはちょっと寂しい。平和主義者であるクジラのような生物「トゥルクン」が争いに参加せざるを得ない理由にも納得がいかない。どちらかと云えば、今までの「アバターシリーズ」の集大成として、パンドラに存在するすべての生命体を統括する巨大な生物学的ネットワーク(集合意識)である「エイワ」のことをもうちょっと深く掘り下げて欲しかった。映画のラストに割り当てられている「エイワ」のシーンだけではまったく物足りなかった。

『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』の製作費は推定4億ドルらしい。それを回収するにはおそらく日本での興収も重要ではないかとおもう。ところが「日本では出足が鈍い」そうだ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/b9f365e60ec39d88f3b9944dbade2563356e0fdd?page=1

この記事では日本での洋画不況が背景にあると云っている。たしかにシネコンでの洋画上映が極端に少なくなった。『国宝』の大ヒットがそれを後押しているような気もする。でも、今までの「アバターシリーズ」とまったく同じようなイメージしか予告編で観客に訴えることが出来なかったのは致命傷だった。実際に今回の『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』には、前作、前々作の焼き直しにしか見えない。このままの繰り返しだけでは『アバター4』を作るのは大変なんじゃないのかなあ。どうするジェームズ・キャメロン。

→ジェームズ・キャメロン→サム・ワーシントン→アメリカ/2025→MOVIXさいたま→★★★