クレールの膝

監督:エリック・ロメール
出演:ジャン・クロード・ブリアリ、オーロラ・コルニュ、ベアトリス・ロマン、ローランス・ドゥ・モナガン、ミシェル・モンテル、ジュラール・ファルコネッティ、ファブリス・ルキーニ
原題:Le Genou de Claire
制作:フランス/1970
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場所:角川シネマ有楽町

エリック・ロメールの4本目は、今までに観て来た3本の映画とはちょっとおもむきが変わっていて、近くに結婚を控えているジェローム(ジャン・クロード・ブリアリ)が友人の小説家オーロラ(オーロラ・コルニュ)に小説の題材を提供するために、若い女の子に向けて微妙に一線を越えないヘンテコな色仕掛けの実験を行うと云うもの。

中年になろうとするジェロームが、オーロラの間借りしている家の中学生の娘ローラ(ペアトリス・ロマン)に興味を抱いたことからはじまったその実験は、そのローラの姉クレール(ローランス・ドゥ・モナガン)のすらりとした肢体へと興味が移って行き、最終目的として、クレールの奇麗な膝をいかにして自然に触ることができるか! になって行く。

なんじゃそりゃ、なこの映画は、でも、ロメール特有の会話の面白さからまったく飽きない。ひげ面ロリコンおじさんの、これは結婚相手の決まっている男のささやかな実験だし、ちょっと膝を触るだけのことなんだよ、の言い訳がましさが笑えるし、それにもともとロメールの映画にはギラギラとしたエロティシズムがないので、本当に単なる膝好きおじさんに見えてしまうところがさらに笑える。

この映画の舞台となったアヌシーは、国際アニメーション映画祭が行われる場所として名前だけは知っていたけど、なんとも美しい場所(ネストール・アルメンドロスの撮影!)だった。アヌシーのアニメーション映画祭へも行きたいなあ。

→エリック・ロメール→ジャン・クロード・ブリアリ→フランス/1970→角川シネマ有楽町→★★★★