女性No.1

監督:ジョージ・スティーヴンス
出演:スペンサー・トレイシー、キャサリン・ヘプバーン、フェイ・ベインター、マイナー・ワトソン、レジナルド・オーウェン
原題:Woman of the Year
制作:アメリカ/1942
URL:
場所:シネマヴェーラ渋谷

スペンサー・トレイシーがキャサリン・ヘプバーンとはじめてコンビを組んだのがこの映画。

キャサリン・ヘプバーンの自伝「Me」を読むと『女性No.1』はスペンサー・トレイシーとキャサリン・ヘプバーンの二人にあてて書かれたものであることがわかる。『我は海の子』(1937)と『少年の町』(1938)で2年続けてアカデミー主演男優賞を受賞したスペンサー・トレイシーと『フィラデルフィア物語』(1940)が大ヒットしたキャサリン・ヘプバーンを組ませようと企画した映画だった。そして、そのキャサリン・ヘプバーンの自伝のスペンサー・トレイシーにあてた章を読むと「最初に共演したとき、私はすぐ思った。ああ、この人には抵抗できない。どうにもこうにも「抵抗できない」という感じだった。」と、すぐにスペンサー・トレイシーに夢中になったことが書かれてある。つまり、このあと25年もの関係が続くきっかけを作った映画でもあった。

そう考えてこの映画を見ると、最初は「へえ。おれたちふたりがうまくいくと思うかね? おれたち、かなり水と油じゃないかな」(自伝「Me」からスペンサー・トレイシーのキャサリン・ヘプバーンに対する最初の印象)だったのが次第に「ただ、これだけはいえると思う。もし私のことが好きでなかったら、彼は私のそばにいなかったろうということだ。」(同じく自伝からキャサリン・ヘプバーンのスペンサー・トレイシーに対する印象)に変わって行く過程が見えるような映画だった。ジョージ・スティーヴンスなのでちょっとメロドラマ調が鼻に付くのと、突然、家庭のことは何もできないキャサリン・ヘプバーンがスペンサー・トレイシーのために朝食を作ろうとしてハチャメチャになるマルクス・ブラザース風のコメディ調が入ったりと、いまいちバランスの悪い映画ではあるのだけれど、でも、二人の関係のはじまりを見る映画であることを考えると感慨深い映画ではあることは確かだった。

→ジョージ・スティーヴンス→スペンサー・トレイシー→アメリカ/1942→シネマヴェーラ渋谷谷→★★★☆