シュガー・ラッシュ

監督:リッチ・ムーア
声:山寺宏一、諸星すみれ、花輪英司、田村聖子、多田野曜平、友近、最上嗣生、高岡瓶々、石塚運昇、堀越真己、落合弘治、岩崎ひろし、瑚海みどり
原題:Wreck-It Ralph
制作:アメリカ/2012
URL:http://www.disney.co.jp/sugar-rush/home.html
場所:ユナイテッド・シネマ浦和

最近のディズニーやピクサーのCGアニメーションは、サブキャラクターにもさまざまな設定を盛り込んで来るので、中心となるストーリーへの視点がぼやけてしまって、とても混乱した映画となってしまう場合が多い。この映画も、ゲーム「フィックス・イット・フェリックス」の悪役“ラルフ”と主人公“フェリックス”との関係に視点を置いたストーリーとおもいきや、その“ラルフ”とゲーム「シュガー・ラッシュ」の“ヴァネロペ”との関係に視点が横滑りして行って、さらにその“ヴァネロペ”と「シュガー・ラッシュ」の中の“キャンディ大王”との関係にどんどんと視点が横滑りして行ってしまう。ストーリーの柱は、“ラルフ”が悪役として存在する意味を問い質して行く部分であることには間違いないのだけれど、あまりにもそこにサブキャラクターが深く関わってくるので、そのメインの部分がどんどんと薄められてしまって、ラストで“ラルフ”が悪役キャラクターとして成長した姿を見せるシーンが充分に生きてこない。

見た目には派手で、スピード感があふれていて、まあ、楽しい映画だとはおもうのだけれど、複数のエピソードを盛り込みすぎた忙しない映画だとはおもう。でも最近は、このような情報過多の映画が観客に好まれているんだろうなあ。求められているものを作るのがハリウッド映画だろうけど、『Mr.インクレディブル』のようなキッチリとした映画がもうちょっと作られると嬉しい。

→リッチ・ムーア→(声)山寺宏一→アメリカ/2012→:ユナイテッド・シネマ浦和→★★★