監督:スコット・デリクソン
出演:ベネディクト・カンバーバッチ、キウェテル・イジョフォー、レイチェル・マクアダムス、ベネディクト・ウォン、マイケル・スタールバーグ、ベンジャミン・ブラット、スコット・アドキンス、マッツ・ミケルセン、ティルダ・スウィントン
原題:Doctor Strange
制作:アメリカ/2016
URL:http://marvel.disney.co.jp/movie/dr-strange.html
場所:109シネマズ木場

「マーベル・シネマティック・ユニバース」のシリーズとしては第14作品目の映画で、「ドクター・ストレンジ」と云う新しいキャラクターがこれに加わった。

この映画の中でエンシェント・ワン(ティルダ・スウィントン)が「アベンジャーズは物理的な脅威と戦い、我々は神秘的な脅威と戦っている」と云っているとおり、『ドクター・ストレンジ』(のシリーズになるとおもわれる)は人間の内面にある精神世界での戦いをテーマとしていて、すでに「ダーク・ディメンション」の世界に陥ってしまったカエシリウス(マッツ・ミケルセン)と、そのカエシリウスに対抗はするが彼と似たような境遇に陥る可能性が高いドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)、そして大義のためならば「ダーク・ディメイション」を利用することも厭わないエンシェント・ワンと、その三者の「ダーク」な面とのかかわり合いが、ブラック、ホワイト(潜在的ブラック)、グレイと、奇麗に描き分けられている構成が面白かった。そこに原理主義的なホワイト(モルド)も加わって、我々の現実世界にあるそれぞれのパーソナリティの分類要素が凝縮している世界観も面白かった。

多次元宇宙(マルチバース)のイメージがクリストファー・ノーランの『インセプション』や『インターステラー』の域を出ていないことや、「ダーク・ディメンション」を支配している「ドルマムゥ」のイメージが『ロード・オブ・ザ・リング』の「冥王サウロン」にしか見えないことを差し引いても、最近の「マーベル・シネマティック・ユニバース」の中で一番面白かった。体調が良かった所為かもしれない。

→スコット・デリクソン→ベネディクト・カンバーバッチ→アメリカ/2016→109シネマズ木場→★★★☆