天才作家の妻 40年目の真実

監督:ビョルン・ルンゲ
出演:グレン・クローズ、ジョナサン・プライス、クリスチャン・スレーター、マックス・アイアンズ、ハリー・ロイド、アニー・スターク、エリザベス・マクガヴァン
原題:The Wife
制作:スウェーデン、イギリス、アメリカ/2017
URL:http://ten-tsuma.jp
場所:MOVIXさいたま

映画のストーリーは、もちろん何も知らずに観るに越したことはない。どんな展開になっていくんだろう? のゾクゾク感こそが映画の醍醐味の一つだからだ。しかし今のインターネット、SNS時代では、すべての情報をシャットアウトすることはとても難しいので、まあ、ある程度の情報流出は致し方ないとおもっている。目くじらを立ててネタバレだ!と叫ぶようなことも馬鹿らしいとおもっている。でも、邦題の副題にネタバレをしちゃうのって、どうなんだろう? 映画のタイトルに「40年目の真実」とあれば、その真実が何であるのかと身構えてしまって、ある程度のストーリーの予測がついてしまう。原題の「The Wife」は、とてもシンプルなタイトルであるからこそ意味深さがあって、とても良いタイトルだ。なぜ、邦題を「妻」にできないのだろう? 百歩譲って「作家の妻」だなあ。

ビョルン・ルンゲ監督の『天才作家の妻 40年目の真実』は、そんな多少の邦題のネタバレがあったとしても、グレン・クローズとジョナサン・プライスによる特殊な夫婦関係から来る確執が面白く、はたして妻のグレン・クローズは「内助の功」として全面的に納得しているのか、それとも才能がありながら埋もれてしまっている自分に対する不満がくすぶっているのか、そこだけを取ってみても最後まで緊張感が持続している素晴らしい映画だった。

『ガープの世界』のジェニー・フィールズ役以来の付き合いのグレン・クローズが本当に良かった。彼女はまだアカデミー主演女優賞を獲ってないんだよなあ。今年こそは彼女に獲らせてあげたい!

→ビョルン・ルンゲ→グレン・クローズ→スウェーデン、イギリス、アメリカ/2017→MOVIXさいたま→★★★☆