バイス

監督:アダム・マッケイ
出演:クリスチャン・ベール、エイミー・アダムス、スティーヴ・カレル、サム・ロックウェル、タイラー・ペリー、アリソン・ピル、ジェシー・プレモンス
原題:Vice
制作:アメリカ/2018
URL:https://longride.jp/vice/
場所:109シネマズ菖蒲

2001年9月11日にニューヨークとワシントンD.C.で起きた同時多発テロを受けてのイラク侵攻への流れが、日本人の我々から見てもちょっと強引すぎやしねえのか? と誰もがおもっていて、それがジョージ・W・ブッシュ大統領の大統領たる資質に疑問を持つきっかけとなったような気がする。で、その裏側にネオコン(新保守主義)の存在が取り沙汰されるようになって、さらにイラクの石油の利権争いなども噂されるようになると、9月11日の事件は単なるきっかけでしかなくて、オサマ・ビンラディンがアメリカに敵対心を持っていようと持っていなくとも、ブッシュがフロリダ州でゴアに僅差で勝った時点でアメリカの突き進む方向は決まってしまっていたんじゃないのかと訝しむようになってしまった。

アダム・マッケイの『バイス』はまさにその当時のアメリカ政治世界の裏側を描いた映画で、ディック・チェイニーと云う普通の男がのし上がって行くさまは、時代の潮流にうまく乗った人間が自分の能力とは関係なく権力と云うものを簡単に握ってしまう怖さだった。そしてそれはどの国でも、日本でもあてはまることだった。

ジョージ・W・ブッシュもチェイニーも、そして国防長官だったドナルド・ラムズフェルドも、人間としては偏っていてダメなやつなんだけど、政治力を発揮する能力は「良い人」よりも一般的には「悪い人」とおもわれている人間のほうに必ず宿る。だから、為政者に対しては必ずアホ、バカ、死ね、と云う言葉が簡単に発せられるようになる。世の理だ。

映画としてはクリスチャン・ベールやスティーヴ・カレルと変幻自在役者の品評会な部分も面白かった。サム・ロックウェルのジョージ・W・ブッシュも激似だし、タイラー・ペリーのパウエル国務長官もリサ・ゲイ・ハミルトンのライス大統領補佐官もそっくり!

→アダム・マッケイ→クリスチャン・ベール→アメリカ/2018→109シネマズ菖蒲→★★★★