ゴーン・ガール

監督:デヴィッド・フィンチャー
出演:ベン・アフレック、ロザムンド・パイク、キャリー・クーン、ニール・パトリック・ハリス、タイラー・ペリー、キム・ディケンズ、パトリック・フュジット、ケイシー・ウィルソン、ミッシー・パイル、セーラ・ウォード、エミリー・ラタイコウスキー、キャスリーン・ローズ・パーキンス、リサ・バネス、デヴィッド・クレンノン、スクート・マクネイリー、シド・ストリットマター、レオナルド・ケリー=ヤング
原題:Gone Girl
制作:アメリカ/2014
URL:http://www.foxmovies-jp.com/gone-girl/
場所:109シネマズ木場

むかし勤めていた会社の同僚たちとデヴィッド・フィンチャーの『セブン』を観に行った時に、他のみんなが不快感をあらわにしているのに自分だけが大絶賛していたことがあって、なんでみんなこの映画の不快さにばっかりに目が行くのだろうかと不思議におもったことがあった。キッチリとした構成のストーリーに酔いしれることがまず先決であって、その結果の不快さなんて二の次なのに。

その再来と云わんばかりに『ゴーン・ガール』も不快な映画だった。それも夫婦間に引き起こる不快さだから『セブン』よりももっとたちが悪い。だから、より以上に、この映画を不快に感じる人も多いとおもう。でも、もし、この不快さにより敏感になるのだとしたら、すでに自分たちがベン・アフレックとロザムンド・パイクの夫婦のような精神的局面に足を突っ込んでいて、まるで鏡を見るように自分たちを見るからじゃないかとおもったり。

それに、ちょうど「STAP細胞は検証できませんでした」の発表の日に観に行ったので、まるでベン・アフレックの「妻は生きてます!」が小保方さんの「STAP細胞はありまーす!」に見えて、それも不快さに輪をかけてしまった。

でも、不快な映画だけじゃなくて、少し笑えるのが『セブン』とは異なっている点だった。夫のベン・アフレックも妻のロザムンド・パイクもどこか間抜けで、とても可笑しい。ベン・アフレックなんて、ずっとボヤッとしたアホ面を通しているし、ロザムンド・パイクの計画的な犯行なんて、まるでプレストン・スタージェスの『殺人幻想曲』のようだ。最初の計画が破綻して、それを取り繕うためにあたふたする部分はドタバタ喜劇だ。これって、デヴィッド・フィンチャーのせいいっぱいのコメディなんじゃないのかなあ、もしかして。笑っていたのは自分だけだったような気もするけど。

→デヴィッド・フィンチャー→ベン・アフレック→アメリカ/2014→109シネマズ木場→★★★☆