フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ

監督:サム・テイラー=ジョンソン
出演:ダコタ・ジョンソン、ジェイミー・ドーナン、エロイーズ・マンフォード、ヴィクター・ラスク、カラム・キース・レニー、ジェニファー・イーリー、マーシャ・ゲイ・ハーデン、ルーク・グライムス、リタ・オラ、マックス・マルティーニ
原題:Fifty Shades of Grey
制作:アメリカ/2015
URL:http://fiftyshadesmovie.jp
場所:109シネマズ木場

出版不況と云われながら、欧米ではまだまだ大ヒットを飛ばす小説があって、ギリアン・フリンの「ゴーン・ガール」もそうだったけど、E.L.ジェイムズの「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」はたった5カ月で、全世界で6300万部を売り上げたオンライン発の小説だそうだ。主婦が書いた主婦向けの官能小説と云うことで「マミー・ポルノ」と云われているらしい。

そんな大ヒット小説の映画化は、導入部を見ただけでは、ん? これはヴァンパイアものの映画化なのか? とおもわせる雰囲気で、それもそのはず、原作者のE.L.ジェイムズはヴァンパイアと人間の恋愛を描いた小説「トワイライト」シリーズに影響を受けてこの「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」を書いたらしい。確かに、サディストの性的嗜好を持つ大富豪のクリスチャン・グレイが女子大生のアナスタシア・スティールとBDSM(SM)の主従契約を結ぼうとするストーリーは、どこかヴァンパイア系小説の匂いがある。

ヴァンパイア好きとしては、その導入部分の孤高な気だるい雰囲気がたまらなくて、もしかすると当たりの映画なのか? と期待感が高まって行ったのだけれど、先に進むにつれてどんどんと腰砕けになってしまって、エロもアブノーマルも中途半端、だけどボカシだけが力強く、と云う感じで、どっちつかずの映画になってしまっていた。これだけ時代が隔たっているにもかかわらず、ひとむかし前のエイドリアン・ラインの『ナインハーフ』と同じような内容にしか見えないのは残念だった。

でも、ダコタ・ジョンソンは良かった。

→サム・テイラー=ジョンソン→ダコタ・ジョンソン→アメリカ/2015→109シネマズ木場→★★☆