セッション

監督:デミアン・チャゼル
出演:マイルズ・テラー、J・K・シモンズ、ポール・ライザー、メリッサ・ブノワ、オースティン・ストウェル、ジェイソン・ブレア、カヴィタ・パティル、コフィ・シリボー、スアンネ・スポーク、エイプリル・グレイス
原題:Whiplash
制作:アメリカ/2014
URLhttp://session.gaga.ne.jp
場所:ユナイテッド・シネマ浦和

『セッション』が公開されたと同時に、ジャズ・ミュージシャンの菊地成孔の酷評が話題になった。

http://www.kikuchinaruyoshi.net/2015/04/08/セッション-正規完成稿/

映画を見終わったので、やっとそれを読むことが出来た。

まず、音楽的接点の何も無い自分にとって、この映画はすこぶる面白かった。それはもちろん、菊地成孔の云うところの「カリカチュアライズされたマンガ」として面白かったのだろうし、音楽的なディティールの矛盾に引っ掛かることなく、勢いで楽しんでしまった結果だったとはおもう。

菊地成孔が音楽的なディティールに憤慨するのはわかるような気がする。上記の文章を読めば、なるほどなあ、と納得できる。でも、「カリカチュアライズされたマンガ」としてまったくダメな映画だったのか、最後の「どんでん返し」も「つぶさに観れば、かなりいい加減」だったのかと云うと、うーん、まったくそうはおもえなかった。この「どんでん返し」に緻密な伏線がそれほど必要だったとはおもえないし、このような緩いストーリーの流れでも、メンヘラ教師が計らずも悪意で持って弟子を昇華させてしまう意外性を、そのメンヘラ教師と一緒に感動出来てしまうヘンテコな「どんでん返し」は体験できたとおもう。

菊地成孔はそうではないと云うけれど、「自白的に憤激している」ことに引っ張られて、「冷静に分析している」は取ってつけたようなものになっているような気がする。

→デミアン・チャゼル→マイルズ・テラー→アメリカ/2014→ユナイテッド・シネマ浦和→★★★★