
監督:サム・ライミ
出演:レイチェル・マクアダムス、ディラン・オブライエン、エディル・イスマイル、デニス・ヘイスバート、ゼイヴィア・サミュエル
原題:Send Help
制作:アメリカ/2026
URL:https://www.20thcenturystudios.jp/movies/fukushu-jima
場所:MOVIXさいたま
近ごろマーベルの映画ばっかり撮ってきたサム・ライミの新作は『HELP/復讐島』。予告編を観るかぎりでは、飛行機事故によってパワハラ上司と無人島で二人きりになった女性部下の復讐劇で、この設定を聞いただけでは映画を観たいと云う気は起きなかった。その後、多くのサム・ライミのファンによる絶賛がネットなどで伝わって来たので、観なければ、と云うことになった。
これが、評判通りの面白さだった。ストーリーを語る上でのいろいろな描写が「死霊のはらわた」シリーズのころのサム・ライミをおもい起こさせて、女性部下のリンダ・リドル(レイチェル・マクアダムス)がパワハラ上司のブラッドリー・プレストン(ディラン・オブライエン)の目を親指で押しつぶそうとするシーンなんて、もしファンタスティック映画祭での上映だったら拍手大喝采のシーンだった。血糊多め、ゲロ多め、ホラーっぽい要素を入れて来るところなども原点回帰を自らに課しているように見えて、さすがのサム・ライミだった。
『HELP/復讐島』と云う邦題も、予告編の作り方も、不遇な女性部下によるパワハラ上司への復讐劇であることを示唆していたけれど、この映画はそれだけではなかった。親の愛情を得られずにモンスターとして育ってしまった男が、今まで毛嫌いしていた女性部下の優しさに改心して「人間の本性は本来善である」を実証する映画なのか? とおもわせておきながら、人間はそう簡単には変わらねえんだよ! と突き放してくるところはサム・ライミらしい爽快感もあった。女性部下のリンダ・リドルも、自分のためなら人を殺すことも厭わない女で、パワハラ上司V.S.か弱き女性部下の構図ではまったくなかった。
そんなリンダ・リドルにも天罰が下るのかと常識的な展開を予想していたら、おもわぬハッピーエンド。いやあ、最後まで展開を読めないサム・ライミらしい映画だった。
→サム・ライミ→レイチェル・マクアダムス→アメリカ/2026→MOVIXさいたま→★★★★






