監督:細田守
声:上白石萌歌、黒木華、星野源、麻生久美子、吉原光夫、宮崎美子、役所広司、福山雅治
制作:スタジオ地図/2018
URL:http://mirai-no-mirai.jp
場所:109シネマズ木場

細田守のアニメーションを今まで観てきて、まだ『サマーウォーズ』のころはそこで描かれる先祖や家族に対するリスペクトを物語の一部として微笑ましく見守っていたけれど、それを何度も繰り返されるとなると、物語としての完成度が高くなければいくらなんでも、またか、になってしまう。今回の『未来のミライ』でもそれが繰り返されていて、少なくともタイトルが『未来のミライ』なんだから、主人公である4歳の男の子「くんちゃん」が未来から突然現れた女子高生の妹「ミライ」によって影響を受けて人間的な成長を見せるエピソードが中心なんだとおもったら、また単純に家族の系譜をさかのぼってノスタルジックな哀愁ばかりが強調されている映画にしか見えなかったのは辛かった。成長した未来の「くんちゃん」がよくあるフツーの高校生となって登場することの意味もわからなかった。「過去」よりも、もっと「未来」が重要なポイントとなっていたら細田守のアニメーションを再度評価し直していたかもしれないのに。

→細田守→(声)上白石萌歌→スタジオ地図/2018→109シネマズ木場→★★☆