奈良市で行われる、なら国際映画祭にはじめてやってきた。この映画祭は、監督の長編デビュー作または2作目のみを扱うコンペティション部門と学生映画コンペティション(NARA-wave)部門がメインの、映画制作に携わる若い人たちに向けて特化しているところが特徴的。仕切りとか段取りとか通訳とかグダグダなところは、まあ、若いと云うことで。

●ラナ・ウィルソン『いのちの深呼吸』(2017/アメリカ)
現在、東京ではポレポレ東中野で上映中のこの作品。東大寺南大門のすぐ横にある「東大寺 金鐘ホール」で観ることが、「自殺防止活動に取り組む日本の僧侶の日々を追うドキュメンタリー」の内容にぴったりだった。
映画が終わったあとの、この映画の主人公、根本一徹住職(岐阜県大禅寺)と東大寺僧侶とのトークも面白かった。葬式と法要でしか一般の人と関わらない日本の僧侶が、死のうとしている人たちと向き合ってくれたらどんなに良いことか。

●フロリアン・クーネルト『Oh Brother Octopus』(27分、2017/ドイツ)
●イネス・デ・リマトレス『De Madrugada』(30分、2018/ポルトガル)
●コヴェ・マザヘリ『Retouch』(20分、2017/イラン)
NARA-wave(学生映画部門)の短編3作品。この中では、重いダンベルをベンチプレス中に首に落としてしまって苦しがっている夫を放置して殺してしまう妻、のコヴェ・マザヘリ監督『Retouch』が面白かった。30分くらいでテンポよくストーリーテリングする短編映画は基本的に大好き。