監督:ケイシー・レモンズ
出演:シンシア・エリヴォ、レスリー・オドム・Jr、ジョー・アルウィン、ジャネール・モネイ、ジェニファー・ネトルズ 、ヴァネッサ・ベル・キャロウェイ、クラーク・ピータース、ヘンリー・ハンター・ホール、ザカリー・モモー
原題:Harriet
制作:アメリカ/2019
URL:https://harriet-movie.jp
場所:Movixさいたま

新型コロナウィルスの「COVID-19」が日本でも蔓延してしまったために、4月中旬の政府の緊急事態宣言以降、映画館も軒並み休館となってしまった。それから2ヶ月半、こんなに映画館から足が遠のいたのは中学生以来なんだけど、まあ、だからと云って、WOWOWやNetflixなどもあるので、このまま映画館が無くなったとしても、簡単にこの環境に順応してしまうのかなあ、なんて悲しくなりながらも、緊急事態宣言が解除されて、映画館も徐々に再開されはじめたら、やはり居ても立っても居られずに映画館へ。

何を観ようかとMovixさいたまのラインナップを眺めていたら、ケイシー・レモンズ監督の『ハリエット』が目に止まった。表題の“ハリエット”とは、ハリエット・タブマンのことで、1850年代から1860年代にかけて、メリーランド州からペンシルベニア州のフィラデルフィアへと、黒人奴隷を密かに逃亡させた女性の奴隷解放運動活動家に焦点を当てた映画だった。今の時節、この映画を観ることが、ぴったりじゃないかと、すぐさま選択した。

全世界的に「COVID-19」がパンデミックになっている状況にもかかわらず、アメリカではまた警察官による黒人への暴行致死事件が起きて、それをきっかけとして人種差別撤廃のデモが各地で発生。さらには日ごろの鬱憤やウィルス蔓延の影響による困窮からかデモの人びとが暴徒化してしまって、店舗での略奪行為が横行する目も当てられない事態になってしまった。この状況を見て、映画『ハリエット』の時代から、な〜んにも変わってねえじゃないかと、つまり人間は、アメリカだろうと日本だろうとどこだろうと、100年くらいの単位では簡単に人の意識を変えられるものではなくて、地域に根付いてしまった負の意識を変えるには多大な時間を要するんだなあ、と。

『ハリエット』のような映画がハリウッドで制作されて、高給を取る黒人俳優がたくさん出てきたとしても、その根が何も変わらないとするのならば、このような黒人ヒーローの映画を観るのはなんとなく虚しい。

→ケイシー・レモンズ→シンシア・エリヴォ→アメリカ/2019→★★★☆