監督:グレタ・ガーウィグ
出演:シアーシャ・ローナン、ティモシー・シャラメ、フローレンス・ピュー、エリザ・スカンレン、エマ・ワトソン、ローラ・ダーン、メリル・ストリープ、クリス・クーパー、ジェームズ・ノートン、ルイ・ガレル、ボブ・オデンカーク
原題:Little Women
制作:アメリカ/2019
URL:https://www.storyofmylife.jp
場所:109シネマズ木場

ルイーザ・メイ・オルコットが1868年に発表した自伝的小説「若草物語」は何度も映画化されていて、特に1949年に作られたマーヴィン・ルロイ監督による『若草物語』が代表的な映画化作品なんだろうとおもう。その中で次女を演じたジューン・アリソンが素晴らしくて、ほとんど同時期に見た『グレン・ミラー物語 』と合わせて、50年代ハリウッドの中でも一番好きな女優になった。

ジューン・アリソンが演じた次女ジョーはオルコット自身を反映している役柄なので、『若草物語』が映画化されれば注目されるのはやはり次女役で、今回のグレタ・ガーウィグ版ではシアーシャ・ローナンがジョーを演じて第92回アカデミー賞の主演女優賞にノミネートされるほどの注目度だった。

シアーシャ・ローナンって、ピーター・ジャクソンの『ラブリーボーン』で女優として認識して以降、別に追っかけているわけでもないのに、ちょこちょこと自分が観る映画に入り込んできて、『ブルックリン』とか、『レディ・バード』とか、とても強烈な印象を残して去って行く女優だった。なんだろう? 好きな女優とは云えないけれど、とても気になる女優と云う立ち位置。

その『レディ・バード』に続いて『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』もグレタ・ガーウィグ監督とのコンビで、やはりここでもシアーシャ・ローナンが強烈な印象を残している。それにマーヴィン・ルロイ版とは違った、女性監督ならではの視点がちりばめられていて、四姉妹が繰り広げる結束とか、確執とか、慈愛とか、そしてちょっと頼りない男たちとのエピソードなどは、女性の芯の強さを前面に押し出しながらも表面は柔らかさに包まれているような描き方で、とても新しい「若草物語」に見えてしまった。

時間軸を無視して、エピソードをシャッフルさせて見せたこの新しい「若草物語」は、時間の流れに固執する映画観客が観たら混乱しちゃうんだろうか? でも、その時々のエピソードに重きを置いていて、ひとつのエピソード内で完結させているような見せ方なので、そこまで時間軸に固執する必要は無いようにも見えたんだけど…。

→グレタ・ガーウィグ→シアーシャ・ローナン→ アメリカ/2019→109シネマズ木場→★★★★