監督:セルゲイ・ロズニツァ
出演:ヨシフ・スターリン、ゲオルギー・マレンコフ、ラヴレンチー・ベリヤ、ニキータ・フルシチョフ
原題:State Funeral
制作:オランダ、リトアニア/2019
URL:http://www.imageforum.co.jp/theatre/movies/3816/
場所:シアター・イメージフォーラム

セルゲイ・ロズニツァと云う監督の名前はまったく知らなかった。これまでに21作のドキュメンタリー映画と4作の⻑編劇映画を発表していて、カンヌ国際映画祭では2012年に『In the Fog』で国際映画批評家連盟賞を受賞、2018年に『Donbass』で「ある視点部⾨」最優秀監督賞を受賞しているらしい。でも、これまでに日本では公開されることはなかった。

今回、そのセルゲイ・ロズニツァ監督の『国葬』『粛清裁判』『アウステルリッツ』の3作品がシアター・イメージフォーラムで公開されることになったので、なんとなく面白そうだなあとおもって、まずは『国葬』を観てみた。

リトアニアで発見されたスターリンの国葬を捉えた大量のアーカイヴ・フィルムを編集して作られたこの映画は、おそらくはソ連のプロパガンダとして撮られたものなので、そこに写っている人たちがみんなカメラを意識していて、悲しみの演技をしているように見える、いや、おそらくはそのとおりの映画だった。だからといって、つまらないわけではなくて、そこに写っている時代の雰囲気や、共産圏の人々の生活、中央アジアやシベリア方面の民族の姿などが見えて、あっと云う間の2時間15分だった。

フルシチョフが司会を努めて、マレンコフが弔事を読むシーンは、ああ、のちに二人のあいだに権力闘争があるんだなあ、とおもいを巡らせることができる唯一の、素の、生の人間が透けて見えるシーンで、そこがこの映画のクライマックスだった。

→セルゲイ・ロズニツァ→ヨシフ・スターリン→オランダ、リトアニア/2019→★★★☆