監督:ロネ・シェルフィグ
出演:ゾーイ・カザン、アンドレア・ライズボロー、タハール・ラヒム、ビル・ナイ、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、ジェイ・バルチェル、ジャック・フルトン、フィンレイ・ヴォイタク・ヒソン
ジェイ・バルチェル
原題:The Kindness of Strangers
制作:カナダ・スウェーデン・デンマーク・ドイツ・フランス/2019
URL:http://www.cetera.co.jp/NY/
場所:Movixさいたま

『ニューヨーク 親切なロシア料理店』と云う邦題を見て、このあいだ観た『ホモ・サピエンスの涙』に引きずられて、北欧系のオフビートなノンビリコメディ映画を想像してしまった。『17歳の肖像』を撮ったロネ・シェルフィグ監督の映画なんだから、そんな映画のわけがなかった。いまの時代に生きる人たちの息苦しさを語りながらも、それでいてラストにはほんのりと爽快感を出していて、深刻さにブレ過ぎないように努めている良い映画だった。『ニューヨーク 親切なロシア料理店』なんて邦題は、なにひとつこの映画の本質を表していない酷い邦題だった。

たぶん日本でも、夫のDVから逃げ出した人、ADHDから来る注意欠如から仕事が長続きしない人、薬物依存の身内を救えなかった人、他人を救うことばかりで自分を省みることが出来ない人、なんて人たちがそれないりにいて、日々、自分を責めながらも生きているのが現代社会なんだとおもう。

この映画は、そんな人たちがニューヨークにあるロシア料理店を通じて知り合うこととなって、それぞれがガッツリと干渉し合うわけでもないのに、なんとなく影響しあって、少しずつ事態が好転していく過程を捉えている巧い脚本の映画だった。

ビル・ナイ以外はあまり知らない俳優ばかりだったけれど、それぞれの役者が役柄にぴったりとハマっているのも、観たあとに尾を引く条件を満たしている映画だった。

→ロネ・シェルフィグ→ゾーイ・カザン→カナダ・スウェーデン・デンマーク・ドイツ・フランス/2019→★★★☆