監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
出演:ティモシー・シャラメ、レベッカ・ファーガソン、オスカー・アイザック、ジョシュ・ブローリン、ステラン・スカルスガルド、デイヴ・バウティスタ、スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン、ゼンデイヤ、張震、シャロン・ダンカン=ブルースター、シャーロット・ランプリング、ジェイソン・モモア、ハビエル・バルデム
原題:Dune
制作:アメリカ/2021
URL:https://wwws.warnerbros.co.jp/dune-movie/
場所:109シネマズ菖蒲

デイヴィッド・リンチが1984年に撮った『デューン/砂の惑星』は、 フランク・ハーバートの壮大な小説のダイジェスト版でしかない、としか評価されなかった。たしかに、そうだったとおもう。もちろんデイヴィッド・リンチだって、ふんだんに予算があれば、アレハンドロ・ホドロフスキー監督が最初に構想した上映時間10時間以上にもなる「DUNE」と同等のものを撮りたかったはずだった。でも、当時はそんなことは許されるべくもなく、のちに3時間9分の再編集版もTV放映されたが、それを見ても印象としては映画版とそんなに変わらなかった。

デイヴィッド・リンチ版から月日が経ち、映画の制作環境もめまぐるしく変化して、ストリーミング配信での事業展開も加味されるようになったので、そこでの視聴が期待されるようなSF的な題材は、おそらくは予算が付きやすくなったのではないかと予想されるところでのドゥニ・ヴィルヌーヴ版『DUNE/デューン 砂の惑星』だった。

この映画も、やはりデイヴィッド・リンチ版と同じように1本で完結する映画ではないかとおもっていた。ところが、アメリカでの公開から1週間後、『Dune: Part Two』が2023年10月に劇場公開されることが決定した、との知らせが飛び込んできた。えっ? この映画は最初から2部作として作られたのか? それとも1本の映画として作って、興行成績を見てから続編の映画を作ることにしたのか?

今回の『Dune: Part One』を観て、ドゥニ・ヴィルヌーヴはこの映画を2部作のうちの前半としてしっかりと構想したとはおもえなかった。なんだろう? 都合上、バッサリと2時間半で切ったような映画に見えてしまった。だから、映画を観終わったあとの達成感が乏しく、次の章へと引き渡すワクワク感がまったくなかった。

だから、この『Dune: Part One』を見る限りでは、ダイジェスト版と云われようが何だろうが、やりたい放題のビジュアルを展開させたデイヴィッド・リンチ版のほうが良く見えてしまった。

とは云え、まだ「Part One」だけなので、やはり「Part Two」期待したいところ。

→ドゥニ・ヴィルヌーヴ→ティモシー・シャラメ→アメリカ/2021→109シネマズ菖蒲→★★★