監督:ケイシー・レモンズ
出演:ナオミ・アッキー、スタンリー・トゥッチ、アシュトン・サンダース、タマラ・チュニー、ナフェッサ・ウィリアムズ、クラーク・ピータース
原題:I Wanna Dance with Somebody
制作:アメリカ/2022
URL:https://www.whitney-movie.jp
場所:109シネマズ菖蒲

大学を卒業してはじめて就職した会社はレーザーディスクというものの中に収める映画や音楽などのコンテンツを作るところだった。レーザーディスクとは、昔のLPレコードくらいの大きさになったDVDを想像してもらえれば何となくイメージできるんじゃないかとおもう。つまり、まだデジタル技術の黎明期で、2時間の映画を収めるのに直径12cmのDVDくらいの大きさにはできず、直径30cmもの大きさが必要な時代だった。

その会社に入社したころ、普通の30cmレーザーディスクよりも一回り小さい20cmのLD(レーザーディスク)シングルを普及させようと躍起になっていて、おもに音楽系のソフトを安価で発売させていた。そのなかにホイットニー・ヒューストンのミュージック・クリップを収めたものがあった。それを何度も何度も見ていた記憶があって、とくに「How Will I Know」や「Greatest Love Of All」のミュージック・クリップが強烈な印象を自分の中に残していた。

ケイシー・レモンズ監督の『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』には、その「How Will I Know」のミュージック・クリップや、生中継で見ていた第25回スーパーボウルでの国歌斉唱とか、日本でも大ヒットした映画『ボディガード』の撮影シーンなどが忠実に再現されていた。ホイットニー・ヒューストンが、自分にとって社会人となってバブル期を駆け抜けた時代の象徴のような存在でもあったので、映画の出来とはまったく関係なくノスタルジックな風景に打ちのめされて、彼女の楽曲が流れるたびに鳥肌が立つような映画だった。

普通の人がこの映画を観たらどうなんだろう? 自分がジェットコースター伝記映画と呼んでいるようなシロモノなので、最近のパブロ・ラライン監督『スペンサー ダイアナの決意』のようなかっこよさはまったくなく、彼女の曲におもい入れがないのなら退屈な映画なのかもしれない。

→ケイシー・レモンズ→ナオミ・アッキー→アメリカ/2022→109シネマズ菖蒲→★★★