イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密

監督:モルテン・ティルドゥム
出演:ベネディクト・カンバーバッチ、アレックス・ローサー、キーラ・ナイトレイ、マーク・ストロング、チャールズ・ダンス、アレン・リーチ、マシュー・ビアード、ロリー・キニア、ジャック・バノン、ヴィクトリア・ウィックス、デイヴィッド・チャーカム
原題:The Imitation Game
制作:イギリス、アメリカ/2014
URL:http://imitationgame.gaga.ne.jp
場所:新宿武蔵野館

今年のアカデミー脚色賞は『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』のグレアム・ムーアが獲った。その時のスピーチが話題になった。

私は16歳の時、自殺未遂をしました。自分は人と違っていると思っていたし、いつも居場所が無かったんです。でも、私は今このステージに立っています。かつての自分がそうだったように、この映画を、そういう子供たちに捧げたい。自分は変わり者で居場所がないと感じている若者たちへ。君たちには居場所があります。そのままで大丈夫。輝く時が来るんだから。そして、いつか君がこのステージに立つ時がきたら、このメッセージを次につなげて欲しい。
http://genxy-net.com/post_theme04/movie20150224-2/

『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』は、まさに「変わり者」の賛歌だった。人並みな感性を持ち合わせているだけでは、凡庸なことしかすることができない。あいつは変わってるよねえ、と云われてこそ、ものごとを異なる角度から見ることも出来るし、それによって誰をも成し遂げられなかった偉業も達成できる。天才数学者アラン・チューリングを題材にとって、そのことを最初から最後まで訴えている映画だった。

でも、そのパターンだけでは、どんな偉人にも当てはまることなので飽きてしまった。ナチスドイツの「エニグマ」を解読したマシン「クリストファー」のシステムのことや暗号解読のアルゴリズムのことなど、パーゾナルコンピュータの源流を見出した人間としての、もうちょっと技術的に突っ込んだ描写もあって、それらを常識からは逸脱したアラン・チューリングの言動と結びつける部分もあればもっと楽しめたのに。

→モルテン・ティルドゥム→ベネディクト・カンバーバッチ→イギリス、アメリカ/2014→新宿武蔵野館→★★★