監督:エメラルド・フェネル
出演:キャリー・マリガン、ボー・バーナム、アリソン・ブリー、クランシー・ブラウン、ジェニファー・クーリッジ、コニー・ブリットン、ラバーン・コックス、アダム・ブロディ、マックス・グリーンフィールド、クリストファー・ミンツ=プラッセ、アルフレッド・モリーナ
原題:Promising Young Woman
制作:アメリカ/2020
URL:https://pyw-movie.com
場所:Movixさいたま

映画のテッパンのストーリーとして復讐劇がある。昔の西部劇なんて、多くが復讐劇だった。日本の時代劇だって、任侠映画だって、めちゃくちゃ多い。でも、これだけ同じような映画を見せられれば飽きちゃうのかと云えば、たとえ似たような復讐ネタを繰り返されても、ラストに主人公が復讐を果たすとスッとする。復讐相手がクソ野郎であればあるほど痛快だ。だから今でも復讐劇の映画は多い。

が、時代はいろいろと変わってきていて、単純に復讐劇を見せるだけではいかなくて、ひとひねり、ふたひねり、ストーリーに変化球を加えなくてはいけなくなって来ている。

エメラルド・フェネル監督の『プロミシング・ヤング・ウーマン』も単純に云えば復讐劇だった。

キャリー・マリガンが演じているカサンドラ・トーマス(キャシー)が医学部在籍中に、親友のニーナが同級生にレイプされるという事件が起きる。ニーナはその事件の後に心を病んで自殺してしまう。親友の自殺をきっかけに医学部を退学したキャシーはニーナをレイプした同級生に復讐を果たそうとする。

ストーリーを要約するとこんな感じなんだけど、この映画の面白いところは、導入からして、なぜニーナがコーヒーショップの店員に身をやつして、そして夜の顔を持って男たちに復讐を重ねているのか、それはどんな復讐なのか(殺しているのか? あそこをちょん切っているのか?)なんの説明もなしに見せてくるところだった。さらにストーリーの核心に迫っても、ニーナがレイプされるシーンも、ニーナがどのように亡くなったのかも、なぜ亡くなったのかも、まったく出てこない。説明もない。映画を観ていくうちに、おぼろげながらにわかってくるだけだった。

最近の映画はやたらと説明が多い。セリフでベラベラと説明しちゃうような映画もある。ああ、でも、映画は映像で見せてくれるのが一番だ。サイレント映画に近いかたちで映像で見せてくれるのがベストだ。そういった意味ではエメラルド・フェネル監督の『プロミシング・ヤング・ウーマン』は素晴らしかった。

そして、この公正・公平の時代に、復讐する側にも罰を用意しなければならなくなってきている。そういった意味でも『プロミシング・ヤング・ウーマン』は上手くストーリーを展開していた。

同じような復讐劇でも、やりようによっては無限大に広がることを示してくれる映画だった。

→エメラルド・フェネル→キャリー・マリガン→アメリカ/2020→★★★★