監督:ジェームズ・マンゴールド
出演:ハリソン・フォード、フィービー・ウォーラー=ブリッジ、アントニオ・バンデラス、ジョン・リス=デイヴィス、シャウネット・レネー・ウィルソン、トーマス・クレッチマン、トビー・ジョーンズ、ボイド・ホルブルック、オリヴィエ・リヒタース、イーサン・イシドール、マッツ・ミケルセン、カレン・アレン
原題:Indiana Jones and the Dial of Destiny
制作:アメリカ/2023
URL:https://www.disney.co.jp/movie/indianajones-dial
場所:ユナイテッド・シネマ浦和

スティーヴン・スピルバーグ監督の『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』が公開された1981年当時、ツルモトルームから刊行されていた「スターログ日本版」を熱心に愛読していて、そこでの『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』公開カウントダウンのような様相に否が応でも盛り上がってしまって、ウキウキしながら公開初日を迎えたことをよく覚えている。だから今でもジョン・ウィリアムスのテーマ曲が流れると心躍らされてしまう。

そのインディ・ジョーンズ・シリーズの4作目『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』が公開されてから15年も経って、驚くことに5作目の新作がやってきた。なぜ、いま? と云うおもいはあるのだけれど、予告編でジョン・ウィリアムスのテーマ曲を聞かされるとウキウキしてしまう条件反射が身についてしまっていた。

たしか『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』の脚本を書いたローレンス・カスダンは、昔の連続活劇の映画を参考にしたと語っていたような気がする。主人公が危機一髪に陥って「to be continued」になる。いったいどうやって危機を乗り切るんだろう? と期待しながら次作をを待つ楽しみが連続活劇にはあった。そのワクワク感を映画に持ち込んだ脚本が『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』だった。

インディ・ジョーンズ・シリーズの1作目『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』はまさに主人公の危機一髪の連続だった。予告編のときから使用されていた狭い洞窟の中を丸い大きな石がこちらに向かって転がって来るビジュアルなんて、まさにインディ・ジョーンズを象徴するシーンだった。そんな馬鹿げたビジュアルを、それでいて映画としては映えるビジュアルを大真面目に実現しているのがインディ・ジョーンズ・シリーズだった。

今回のインディ・ジョーンズ・シリーズ5作目『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』は、監督がスピルバーグからジェームズ・マンゴールドに変わってしまった。けれども、スピルバーグ版インディ・ジョーンズのエッセンスをしっかりと継承していて、悪漢に取り囲まれるシーンあり、すんでのところで脱出するシーンあり、おびただしい数のムカデが出るシーンあり、顔面パンチありと、オマージュとも捉えることのできるシーンの連続だった。ただ、ローレンス・カスダンが脚本の元とした連続活劇には、短いエピソードが「to be continued」でつながる小気味よさがあるはずだった。ところが154分もの長尺の映画になってしまうと、ひとつひとつのエピソードが間延びして、軽快さはほとんど消え失せてしまっていた。それが残念だった。

最近の映画はどれも長すぎる。映画の上映時間は1時間30分から2時間が基本だよなあ。

→ジェームズ・マンゴールド→ハリソン・フォード→アメリカ/2023→ユナイテッド・シネマ浦和→★★★☆